住宅地における「祈りの空間」を4つの「切妻屋根」によって構成した葬祭場。
かつて死者を弔う場所は家の中だった。 都市化が進む中、1980年代頃からそうした「祈りの空間」は葬祭場として「施設化」され都市に取り込まれることで家の中から切り離された。
敷地は福岡県春日市。農地から宅地化が進む住宅地であり、周辺には田んぼや畑、地主が所有する大きな家々が見られる。クライアントからは「地域に根ざした建物」、「4つの家族が使用できること」などを求められた。
そこで周辺環境に馴染むように4つの切妻屋根にわけてホールを計画し、路地空間でつなげることでひとつの建築にする計画とした。切妻屋根をホールと通路に架け渡しながら、卍型に組み合わせることで、中央のホワイエ上部にすり鉢状のヴォイドをつくった。 各々の家族はホールに集まり弔いを行う。路地とホワイエは家族間の共有空間として機能している。FRP板が形作るすり鉢状の光の塊は、刻一刻と移り変わる空の風景を映し出す。
Site: Fukuoka
Program : Funeral Hall
Site Area : 2,041.83 ㎡
Building Area: 763.20 ㎡
Total Area: 705.19 ㎡
Structure: Wood
Floor : One Story
Architect : Yu Momoeda, Yuko Abe
(YU Momoeda Architects)
Structural Engineer : Motoshige Kusaba, Kentaro Kunimoto
(Kusaba Structural Design)
HVAC Engineer : Ittetsu Koga
Masaru Murayama
(Koga Sekkeishitsu)
Completion : Feb. 2018
Construction : Sanki Construction
Photo : Yashiro Photo Office