福岡にある「雑餉隈桜並木通り」に隣接した敷地に計画中の葬祭場。この600mに渡る桜並木は観光名所となっており、春には多くの花見客が訪れる。桜は、花見などの「祝祭」のイメージと共に、一瞬で散ってしまうはかなさが「葬い」を連想させる。そこで木造の方杖架構を桜並木に見立てることで全体を構成し、並木の間に生じるヴォイドをボリューム(室内)に置き換えた建築を考えた。
4列の木架構によって帯状の平面を構成した。待合、祈り、お見送りというような行為が隣り合い、並木の架構を通過する中で別れの儀式が進んでいく。基本の柱スパンを半間、大きな開口が必要な箇所を1間とし、スパンに合わせ上部の方杖がリズムを変える。柱に対して斜めに接続する方杖を平面的に「非対称」にすることで、より「自然」に近い構造体を作ろうとした。架構ユニット単体では不均衡であるが並木のように連なることで大きなトラス梁を形成している。
室内では柱、方杖、梁が連続することで、並木のトンネルのような風景が生まれる。木架構上部の天窓からは、方杖越しに木漏れ日のような光が零れ落ち、明るく柔らかな祈りの空間をつくりあげる。
Site: Fukuoka
Program : Funeral Hall
Site Area : 1,068.09 ㎡
Building Area: 323.28 ㎡
Total Area: 297.94 ㎡
Structure: Wood
Floor : One Story
Architect : Yu Momoeda, Yuko Abe, Marika Hamaguchi
(YU Momoeda Architects)
Structural Engineer : Kousuke Araki
(XYZ Structure)
HVAC Engineer : Ittetsu Koga
Masaru Murayama
(Koga Sekkeishitsu)
Completion : Aug. 2019
Construction : Sanki Construction
Photo : Yashiro Photo Office